青いユーレイ
その昔、テキストサイトが流行っていた時代、インターネットの申し子としすくすく育っていた私も、御多分に洩れずテキストサイトに夢中であった。その中でも一番大好きで、今もたくさんの言葉を忘れられずにいる特別なサイトがある。
「青いユーレイ」という名の、女性が運営するサイトだ。
少ない更新頻度で淡々とあげられる記事はどこか夢のように現実味を欠いていて、誰の文章にも似ていない、彼女だけの世界観があった。私にとってあのサイトは、10代の終わりから20代のはじめにさしかかる不安定な心に寄り添って、感傷的な世界を持つことを、そっと肯定してくれるような存在だった。
今でも時々、彼女の文章が読みたくなって、痕跡を探すことがある。
またどこかで会えるかな。